防錆油だけではない!
防錆剤を賢く選んで
工数・コスト削減を実現

防錆剤と言えば防錆油のイメージが強いですが、選択肢はそれだけではないことをご存知でしょうか。一般的な防錆油の他にも水溶性防錆剤、気化性防錆剤など種類があります。防錆油でないと対応できないケースも一部存在しますが、下処理・後処理の工数を減らして簡単に防錆でき、多くの金属で利用可能なアイテムが続々登場。防錆処理における工数削減・コスト削減を実現しているのです。

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DETAILS

使いやすさで選ぶ
気化性防錆剤おすすめ3選

塗布や散布の手間がなく、密閉容器や袋の中に対象金属と一緒に入れる、シートで覆う、対象金属を包装するだけで優れた防錆効果が得られる等、手軽さが魅力の気化性防錆剤。
ここでは国産で使いやすい(※)気化性防錆剤を、種類ごとに厳選して紹介します。
※国産の防錆剤の中でも、使いやすさを示したアイコンの該当項目が多い商品を、パック型防錆剤、防錆紙、防錆フィルムからそれぞれ1つずつ選出しています

ポンと入れるだけ!
15分ですみずみまで
しっかり防錆

城北化学工業
「ラン・ラン」
(パック型防錆剤)

城北化学工業「ラン・ラン」の商品画像
画像引用元:城北化学HP ラン・ラン(https://www.johoku-chemical.com/lanram/)

使いやすさ・用途

  • 即効性
  • 大容量防錆
  • 複雑な形状
    でも防錆可
  • 繰り返し利用
  • ゴミ・廃棄
    コスト削減
  • 手に触れる
    部分の防錆
  • 無臭
  • 通販あり

特徴
・防錆成分の拡散までわずか15分。気化力に優れ複雑形状の金属にも幅広く活用できる
・サイズが小さく密閉容器に入れるだけなので、包装や廃棄の手間が少ない
・密閉容器や密閉袋を用いた金属の保管におすすめ

包装と防錆を一度に!
ラインナップ豊富な
防錆紙メーカー

アドコート
「アドパック」
(防錆紙)

アドコート「アドパック」の商品画像
画像引用元:アドコート株式会社・トップ アドパックラインナップ・トップ アドパック‐ G (鉄鋼用含浸タイプ) (http://www.adpack.jp/lineup/type_gk.html)

使いやすさ・用途

  • 即効性
  • 大容量防錆
  • 複雑な形状
    でも防錆可
  • 繰り返し利用
  • ゴミ・廃棄
    コスト削減
  • 手に触れる
    部分の防錆
  • 無臭
  • 通販あり

特徴
・気化性防錆紙専門メーカーならではのラインナップで様々な使い分けに対応
・金属に合わせた防錆紙を複数用意
・部品や金属の包装を兼ねた防錆におすすめ

目的や用途に応じて
形状や性能をカスタマイズ
可能

アイセロ
「ボーセロン」
(防錆フィルム)

アイセロ「ボーセロン」の商品画像
画像引用元:アイセロHP アイセロの挑戦02 ボーセロン®物語「アイセロの未来をかけた戦略商品のサクセスストーリー」(https://www.aicello.co.jp/recruit/about/challenge/boselon/)

使いやすさ・用途

  • 即効性
  • 大容量防錆
  • 繰り返し利用
  • ゴミ・廃棄
    コスト削減
  • 複雑な形状
    でも防錆可
  • 手に触れる
    部分の防錆
  • 無臭
  • 通販あり

特徴
・フィルムが透明なため海外輸送での防錆・梱包に役立つ
・ヒートシールによる密封やフィルムを利用した自動包装にも対応しているため、密閉袋兼防錆剤としても利用可能

※2021年2月時点の情報。公式HPに記載の内容をもとに評価しています
※注釈:アイコンの意味
・繰り返し利用(効果がなくなるまで繰り返し利用できるかどうかで調査)
・即効性(浸透スピードに関する内容を公式HPに記載しているか)
・通販あり(すぐに必要な時に手軽に注文できるECサイトや通販サイトでの販売はあるか)
・無臭(食品工場や家庭用商品など臭いを気にするニーズに応える商品に使用できるか)
・手に触れる部分の防錆(手に付いた時に落ちないか・使う時に手袋をはめた方が良いのか)
・ゴミ・廃棄コスト削減(段ボール一箱分の防錆をする際のゴミの大きさが15cm以内か)
・大容量防錆(ドラム缶サイズの防錆は可能か)

TYPES

まずは防錆剤3タイプを比較

防錆剤は3タイプがあり、塗布して錆を予防する油溶性防錆剤(防錆油)や、作業がラクで環境面にもやさしい水溶性防錆剤、防錆剤を入れるだけで気化した成分が金属に付着して効果を発揮する気化性防錆剤があります。

それでは、それぞれどのような違いがあるのかを比較してみましょう。(※2021年2月時点の情報です)

※横スクロールします。

気化性
防錆剤
油溶性
防錆剤
水溶性
防錆剤
価格 924円~20,790円
(サイズや形状、
量によって異なる)※1
4,279円~29,841円
(18~20L缶)※2
8,679円~29,590円
(18~20L缶)※3
持続期間 6ヶ月~5年
(商品によって異なる)
3ヶ月~3年
(商品によって異なる)
6ヶ月~5年
(商品によって異なる)
防錆範囲 密閉空間全体に拡散し防錆 塗布した部分だけ防錆 散布した部分だけ防錆
使用方法 密閉容器に投入・
対象金属を梱包するだけ
対象金属に塗布する作業あり 対象金属に散布する作業あり
使用前処理 指紋や汚れ等を除去 対象金属を洗浄 対象金属を洗浄
使用後処理 開梱すれば防錆成分が
揮散するため除去不要
脱脂洗浄・乾燥や
ふき取り作業あり
洗浄・乾燥や
ふき取り作業あり

※価格は、2021年12月の情報です。

※1 情報元:モノタロウ 気化性防錆剤の販売特集の商品から価格目安を抜粋
https://www.monotaro.com/k/store/気化性防錆剤/
※2 情報元:モノタロウ 防錆油の販売特集の商品から価格目安を抜粋
https://www.monotaro.com/k/store/防錆油/
※3 情報元:モノタロウ 水溶性防錆剤の販売特集の商品から価格目安を抜粋
https://www.monotaro.com/k/store/水溶性防錆剤/

防錆剤を選ぶ際に見るべき3つのポイント

性能・成分を見る

防錆剤は「気化性」「油溶性」「水溶性」の3種類に分けられます。含まれる成分の違いによって持続期間や防錆範囲、使用方法が変わってくるため、それぞれの特性を理解して自分に合ったタイプの防錆剤を選択することが重要です。

コストを見る

防錆剤のタイプによって、価格はもちろん、使用前後の処理方法も変わってきます。処理にかかる工数など、人件費まで考えて防錆剤を選ぶことをおすすめします。

使いやすさを見る

容器に投入するだけのタイプや、塗布や散布が必要なタイプなど、使用方法も大きく変わってきます。使い勝手の良さも防錆剤を選ぶ上で注意すべき点です。

手軽に使える「気化性防錆剤」なら
処理による工数や人件費を削減できる

使いやすさや防錆作業の工数削減を重視するなら、下処理や後処理不要でゴミも少ない気化性防錆剤が適していることが分かります。
気化性防錆剤は塩害対策や海中での使用には適していないものの、コストを抑えられる気化性防錆剤を選ぶ企業は年々増加。自動車や家電などの部品工場や輸出用金属部品等、様々な用途・シーンで活躍しています。

気化性防錆剤の中にも種類があり、密閉容器に同封するだけで防錆が可能な「パック型防錆剤」や、梱包することで防錆する防錆紙・防錆フィルムを使用すれば、保存や発送もしやすくなるメリットがあります。
種類によって即効性の有無や繰り返し利用の可否などの違いもあるため、気化性防錆剤を検討する方は「使いやすさで選ぶ気化性防錆剤おすすめ3選」をチェックしてみてください。

THREE SELECTIONS

おすすめの気化性防錆剤
3商品を詳しく紹介

ポンと入れるだけ!
15分ですみずみまでしっかり防錆

城北化学工業
「ラン・ラン」
(パック型防錆剤)

城北化学工業「ラン・ラン」

画像引用元:城北化学HP ラン・ラン(https://www.johoku-chemical.com/lanram/)

城北化学工業「ラン・ラン」
(パック型防錆剤)

使いやすさ・用途
アイコン該当項目数
6/8項目中

使いやすさ・用途

  • 即効性
  • 大容量防錆
  • 複雑な形状
    でも防錆可
  • 繰り返し利用
  • ゴミ・廃棄
    コスト削減
  • 手に触れる
    部分の防錆
  • 無臭
  • 通販あり
対応範囲
対応金属
Features

城北化学工業「ラン・ラン」の防錆剤3つの特徴

密閉容器に投入するだけ
幅広い用途で利用できる

気化性防錆剤を水・油に強い特殊加工紙でパックしたのが「ラン・ラン」です。気化したガス分子が金属に付着することで腐食を防ぐ仕組みなので、密閉度の高い容器に金属とラン・ランを投入するだけ。包材で包んだり廃棄したりする作業が不要なので工数削減につながります。乾燥剤や他の防錆紙、防錆フィルムなどとも併用も可能で自動車や家電、各種工具、楽器まで幅広く利用できるのが特徴です。

塗付け・洗浄不要により
作業工数&コスト削減

ラン・ランは気化性防錆紙パックなので、ドライ防錆が可能。即効性に優れ、気化して効果を発揮するまでの時間が従来の防錆剤よりも早いのが特徴です。塗付けや洗浄といった工程を必要としないため、部品洗浄後のドライ状態での保管や物流にも適しています。そのためラン・ランを導入することで、作業工数や資材費、人件費などのコスト削減につながります。

わずか15分で防錆完了。防錆範囲が広く複雑形状に対応

防錆成分の拡散がわずか15分と防錆範囲が広く、優れた気化力を発揮するラン・ラン。防錆有効成分が従来の気化性防錆剤よりも遠くまで到達する(1mでも発錆なし)ため、防錆範囲が広いのが特徴です。
気化力が優れていることにより、エンジンや歯車、気孔質がある部品類など、人の手が届かない形状の複雑な金属や細かい部分までムラなく防錆できます。

Info

城北化学工業「ラン・ラン」の商品概要

  • 販売会社:城北化学トレーディング株式会社
  • 製造元住所:東京都渋谷区恵比寿1-3-1 朝日生命恵比寿ビル5階
  • 製品情報:全金属用「ラン・ラン」Sサイズ
    全金属用「ラン・ラン」Mサイズ
    全金属用「ラン・ラン」Lサイズ
    銅用「ラン・ラン」Mサイズ
    ※価格は要問合せ
包装と防錆を一度に!
ラインナップ豊富な防錆紙メーカー

アドコート
「アドパック」

アドコート「アドパック」商品画像

画像引用元:アドコート株式会社・トップ アドパックラインナップ・トップ アドパック‐ G (鉄鋼用含浸タイプ)(http://www.adpack.jp/lineup/type_gk.html)

アドコート
「アドパック」

使いやすさ・用途
アイコン該当項目数
2/8項目中

使いやすさ・用途

  • 即効性
  • 大容量防錆
  • 複雑な形状
    でも防錆可
  • 繰り返し利用
  • ゴミ・廃棄
    コスト削減
  • 手に触れる
    部分の防錆
  • 無臭
  • 通販あり
対応範囲
対応金属
Features

アドコート「アドパック」の防錆剤3つの特徴

気化性防錆紙を専門に
短納期・低コストを実現

アドコートは、気化性防錆紙のみを扱う専門メーカー。大手の自動車/鉄鋼会社にも販売実績があります。
企業のニーズを細部まで把握した商品開発が強みで、気化性防錆紙に特化した製造を行うことにより、短納期・低コストを目指しています。

使い分けする際にも
わかりやすくする工夫

アドパックの使用方法は、金属製品をラッピングするか密封容器に同梱するかの2タイプ。対象金属によって商品の見た目を変えているのも特徴で、ロゴ印刷の色が赤なら鉄鋼用、青なら鉄・非鉄金属共用、緑のものは銅・銅合金用と区別しやすくなっています。

入手しやすくするため
直営店や販売情報を公開

必要な時に防錆紙を入手できるよう、アドパックでは直営のオンラインショップを開設。海外代理店を含む販売店情報を公式ページで案内しています。さらに、商品情報だけでなく防錆紙の選び方や使用上の注意点がまとめられているため、事前に使い方の基礎知識を得ることができます。

Info

アドコート「アドパック」の商品概要

  • 販売会社:アドコート株式会社
  • 製造元住所:京都府相楽郡精華町光台1-2-20
  • 製品情報:アドパックG(ロール径135mm、重量9kg):19,030円
    アドパックホワイト(ロール径125mm、重量8kg):20,845円
    アドパックS(ロール径135mm、重量9kg):20,350円

※価格は、2021年12月の情報です。

目的や用途に応じて
形状や性能をカスタマイズ可能

アイセロ
「ボーセロン」

アイセロ「ボーセロン」の商品画像

画像引用元:アイセロHP アイセロの挑戦02 ボーセロン®物語「アイセロの未来をかけた戦略商品のサクセスストーリー」(https://www.aicello.co.jp/recruit/about/challenge/boselon/)

アイセロ
「ボーセロン」

使いやすさ・用途
アイコン該当項目数
2/8項目中

使いやすさ・用途

  • 即効性
  • 大容量防錆
  • 繰り返し利用
  • ゴミ・廃棄
    コスト削減
  • 複雑な形状
    でも防錆可
  • 手に触れる
    部分の防錆
  • 無臭
  • 通販あり
対応範囲
対応金属
Features

アイセロ「ボーセロン」の防錆剤3つの特徴

包装するだけで
発錆と腐食を抑制

防錆フィルムの中には、常温で気化する防錆剤を含有。成分が金属面に吸着することにより、被膜を形成し腐食を抑制するメカニズムになっています。
また、包装するだけで防錆効果を得られ、透明フィルムなので区分けしやすく輸出や国内輸送に向いている等のメリットも持ち合わせています。

目的に応じて
使い分けできる商品展開

鋳鉄、鋼板など鉄類用に開発した103シリーズや、鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム用に効果を発揮できる507シリーズなど、ボーセロンは特性や用途に合わせて使える種類が豊富なのも特徴。
また、現場の用途に合わせて商品の仕様をカスタマイズすることもできます。

成分開示をすることで
安全性と信頼性を維持

アイセロでは商品の安全性を重視しており、使用先が要求すれば防錆剤成分開示に応じてくれます。防錆剤成分の名称、構造、含有量まで開示を行い、化審法(※1)や米国におけるCAS No.(※2)まで明示。その姿勢が商品力への自信であり、防錆フィルムのシェアを維持し続けている証と言えるでしょう。

※1 化審法:化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
※2 CAS No.:米国化学会の情報部門(Chemical Abstracts Service: CAS)が付与する化学物質の識別番号。化学物質を特定し、その物質に関する情報を検索する際に利用されます。

Info

アイセロ「ボーセロン」の商品概要

  • 販売会社:アイセロ「ボーセロン」
  • 製造元住所:愛知県豊橋市石巻本町字越川45番地
  • 製品情報:ボーセロン 103:エンジン、ミッション等のノックダウン(KD)梱包および補給部品
    ボーセロン 507:プレス(スタンプ)部品のノックダウン(KD)梱包および補給部品
    ボーセロン PX(ポリクロスラミネートタイプ) :重量物、突起物等の包装
    ボーセロン AC(エアーキャップラミネートタイプ):緩衝包装
    ボーセロン ST(ストレッチタイプ):鋼板コイルの梱包
    ボーセロン SP(防錆紙代替):鋼板コイルの梱包
    ※価格は要問合せ

気化性防錆剤はラインナップが豊富で形状も紙シートやパック、錠剤タイプなどがあります。また商品によって気化力に差があり対象金属や防錆範囲が異なるので、使い分けをすることで、高い防錆効果を得ることができます。

アメリカ産の気化性防錆剤です。種類が豊富で用途や対象金属によって使い分けが可能。全世界のディストリビューター(※)が販売、使用法のアドバイスなどのサポートを行っています。

※ディストリビューター:開発もとから商品を購入し販売する会社

米国コーテック社の気化性防錆剤です。マルチメタル対応で製品バリエーションも豊富です。アメリカやEUの厳しい安全性基準をクリアしているので、安心して使用できます。

マルチコーティング方式採用の気化性防錆紙です。防錆剤として特殊防錆ポリエチレン樹脂を使用。用途や環境に合わせ、包装資材に防錆ラミネート加工を施すことができます。

気化性・水溶性防錆から防錆油、防錆添加剤までラインナップが豊富な防錆剤シリーズです。金属一次品から各種機械部品、プラント設備の内部防錆まで、幅広く利用されています。

スプレータイプの防錆剤です。塗膜にキズが入っても錆が広がらない溶剤系と、長期防錆の下地処理剤として使える水系に分かれています。用途は塩害対策に重点を置いています。

潤滑油のブランド名を受け継いだ工程間防錆油。用途によってシリーズが分かれ、機械部品や加工品の洗浄防錆油として適用されるダフニースーパーコートWRは、安全性が魅力です。

石油科学技術の研究から生まれた環境配慮型の防錆油です。錆止め油に含まれる金属の残渣物問題を解決。バリウムフリーでべとつかないので、機械部品の防錆に適しています。

表面処理剤メーカーが開発した防錆油です。薄膜型、ワックス膜系、気化性の3タイプがあり、自動車等の部品や金属製品の中・長期の保管防錆や、輸送防錆などに使用されます。

含浸加工による即効性があり、効果も長持ちする気化性防錆紙です。金属の種類に合わせたラインナップがあり、防錆油不可の金属部品の輸送・製造途中の一時保管にも、使用できます。

様々な金属に対応し、水置換性で金属表面を侵すことがない、スプレータイプの防錆剤です。指紋による発錆だけでなく、塩分の付着などで生じる腐食をも、防止することができます。

淡黄色液体の水溶性防錆剤です。空調用密閉式冷温水系での鉄鋼・鋳鉄・銅・銅合金・亜鉛に対して防錆効果が高く、水に溶けるタイプなので、様々な用途や環境に対応できます。

薄板各種鋼板向けの防錆剤です。食缶用途のメッキ銅板(ブリキ・ティンフリー)を始め、冷延鋼板全般に適用し、アメリカFDAに収載される原料のみで構成されるので、安全性が高いでしょう。

赤サビを進行しない、黒サビに転換する新発想の水性サビ転換塗料です。サビていないところも含めて直接塗装することができ、錆止めプライマー・シーラーとしても使えます。

半透明のポリエチレン製防錆フィルム。簡易包装のみで長期の防錆効果が持続し、視認性が高いため、自動車や金属、機械企業の金属部品の長期保管や輸出梱包に使用されます。

白色無臭の鉄鋼用粉末気化防錆剤です。気化したガスが金属表面に吸着し防錆するメカニズムで、主に電気・工作機械、自動車の鉄鋼材料など工業分野の防錆に利用されています。

トラスコ中山が企画販売する防錆製品です。防錆スプレーは5ミクロンほどの薄い被膜を、金属表面に形成し防錆する仕組みで、射出成形機の金型の複雑な形状にも対応します。

フィルムの厚さや長さ、幅をオーダーメイドできるうえ、色付けも可能な気化性防錆フィルムです。鉄用・非鉄用・鉄/非鉄両用の3タイプを用意しています。形状は平袋やカットシート、ロール巻など幅広く対応可能。

気化性防錆剤と帯電防止剤を合わせてつくられた防錆フィルム。防錆だけではなく静電気によるトラブルも防止できるのが魅力です。なお、防錆剤は植物由来であり、環境や人体への安全性にも配慮された製品です。

1969年から防錆剤や防錆紙の製造を行ってきた恵和株式会社の気化性防錆紙。ポリエチレン膜を貼ったタイプやクロスタイプなどカスタマイズ製造にも対応可能なため、防錆紙の防湿性や強度を高めたい場合にもおすすめ。

創業から130年以上の歴史をもつ堀冨商工株式会社が、ラミネート加工技術を活かして製造した気化性防錆紙です。鉄や非鉄金属、銅用の3タイプを用意しており、メタライトで密封梱包することで防錆効果を発揮します。

新規防錆剤マスターバッチPEXSTT-93を使用した気化性の防錆フィルムです。B4サイズ程度の袋状になっており、対象物を密封梱包して錆から守ります。無機系の原料でつくられており、人体への安全性も確保しています。

さまざまな機能性フィルムを開発している大日本株式会社の防錆フィルム。気化なしのバリア仕様タイプのほか、気化性防錆フィルムとバリアフィルムを貼り合わせた仕様を用意。透明なフィルムが作業の効率を向上させます。

三洋化成の「サンヒビター」は、金属表面にさび止め皮膜を形成する有機系防錆剤です。鉄、銅、黄銅、アルミニウム、亜鉛合金などの多種の金属に対して、高い防錆性を示します。また、安全性と環境配慮も追及した製品で、使用者の負担も考えられています。

タイユの「SAP」は不水溶性防錆剤、バリウムフリー防錆剤など豊富な製品ラインナップがあります。その種類の多さからさまざまな用途に対応可能で、アメリカやヨーロッパ輸出時のバリウムフリー製品にも対応しています。ISOなどの認可を受け、高品質・環境配慮製品として販売されている製品です。

NMCが販売する「NMC-500」は油溶性防錆剤で、鋼材、金型、加工ワークなどの短~中期防錆に適している製品です。5μ程度の均一皮膜を形成することで、油焼けによる製品の劣化も軽減。においが少なく有機溶剤中毒予防規制に非該当であることから、長期間の使用が欠かせない場合も安心して使えます。

「サビラン」は、コンクリート内部の鉄筋に浸透し、高い防錆効果を有しています。1度の塗布で約10年間防錆効果が期待でき、コンクリート建物の延命に有用です。予防保全中心の補修が中心の防錆剤であるため、建物の維持管理費用を抑制することが可能です。

RoHS・REACHの環境基準をみたした人体や環境に対する安全性に配慮した防錆剤です。亜硝酸塩の不使用と有害物質を排出せず、鉄、銅、亜鉛など多くの種類の金属に対して防錆効果を有します。水道水で希釈して使用できるため、簡単に使えて汎用性が高い防錆剤といえるでしょう。

「塩カル防錆剤」は、車両下部の防錆対策に適した防錆剤です。融雪剤や潮風の塩分を原因とする錆に対して、防錆効果を発揮します。有機溶媒を使用しておらず、人体や環境への影響が少ないのがメリット。施工時に車両や作業場のマスキングも不要で、作業時間もそれほどかかりません。

ツネミの防錆剤「さびとめーる」は、鉄筋コンクリートで建造された住宅やマンションの鉄筋コンクリートの防錆対策に適しています。高い浸透力があり、亜硝酸イオンによる長期的防錆効果が期待できます。

ワールド・グリーンテックのラストスイーパーは施工が容易かつ、錆除去と防錆の効果を有しているのが特徴。防錆液は人体や環境に影響を及ぼしにくい食品添加物を主成分としています。また、廃液も肥料としてリサイクルでき、環境配慮面からも優れた製品になっています。

BY TYPES

防錆剤の種類

防錆剤には使用方法が異なるいくつかの種類が存在します。それぞれメリット・デメリットがあるため、効率的に防錆を行うためには対象金属や作業環境により使い分けが必要です。そこで代表的な防錆剤5つの特徴や用途、使用する上での注意点などをまとめました。

汎用性があり中間工程での錆止めに適する

油で防護膜を作ることで発錆を抑える防錆剤です。入手が容易で汎用性がありますが、作業環境が汚れやすいのがデメリット。中間工程での錆止めに向いており、十分な防錆効果を得るためには事前の洗浄処理が必要です。

油に弱いが作業コストがかからず環境面も◎

水で希釈して使用する防錆剤です。無機系と有機系に分けられ乾燥後はそのまま金属加工可能。作業コストがかからず環境面にやさしいのがメリットですが、油があると弾かれるのが難点で、飛散しやすい性質があります。

取扱いが簡単で気化成分により細部まで防錆

紙に錆を防止する化学物質を含ませた防錆剤です。シートやロール状になっており拭き取りは不要。金属に合ったタイプのものを用意する必要がありますが、取扱いが簡単で気化性成分が細部まで防錆効果を発揮します。

気化性の防錆成分を含みヒートシールが可能

気化性防錆成分をプラスチックフィルムに練り込んで塗布した防錆剤です。紙粉の発生なしで防湿性に優れヒートシールが可能なことがメリットですが、防錆剤の含有量が少ないため効果が出るまでに時間がかかります。

他の防錆剤とも併用できるお手軽錠剤タイプ

錠剤タイプの気化性防錆剤です。容器や袋の中に入れた対象金属と同梱して使用。ピンポイント防錆や他の防錆剤と併用が可能で金属形状の影響を受けにくいのがメリットですが、サイズが大きい金属の防錆には向きません。

浸透力に優れた扱いやすい防錆剤

鉄製品に吹き付けることで、防錆効果を期待できるものです。水置換性がある薬剤を使用している製品が多く、水に濡れている部品や油汚れがあっても浸透しやすくなっています。手軽に処理できるというメリットがありますが、効果の持続期間が短めです。

目的に合わせて選択できる防錆材料

その他の防錆材料として「加剥性プラスチック」や「乾燥剤」「脱酸素剤」「インヒビター」などがあります。錆を防止するという目的は同じですが、素材や効果が異なっているので、目的や用途に合わせて選択しましょう。

BY METAL TYPES

金属別 防錆剤一覧

工場における金属の錆は、品質管理や衛生管理の観点からも深刻な問題となっています。防錆対策は必須で、金属の錆の性質を知ることが重要です。そこで鉄、銅、アルミ、ステンレスの錆ができる原因と、対処方法として有効な防錆剤についてまとめました。

鉄

酸素や水で錆が発生する耐食性の低い金属

鉄は耐食性が低く、酸素や水により錆が発生します。表面に酸素を含んだ水分が付くと、鉄イオンが溶け出し、これらと結合して錆になります。鉄に適した防錆剤は、表面を保護する防錆剤と、赤錆を黒錆へと変化させる防錆転換剤です。

銅

錆に種類があり赤褐色から緑青色へと変化

銅の錆には複数の種類があり、最初は赤褐色の酸化第一銅の錆ができます。これが酸素や亜硫酸ガス、水と反応すると緑青色の塩基性硫酸銅の錆に変化します。大きく色が変化する銅錆に適した防錆剤は、変色防止防錆剤や銅専用につくられた防錆剤です。

アルミ

アルミ

酸化アルミニウム膜が破壊されると局部腐食

強度や耐腐食性に優れており錆にも強いですが、表面の酸化アルミニウムの膜が破壊されると孔食、粒界腐食、応力腐食割れ、異種金属接触腐食といった局部腐食が起きます。アルミに適する防錆剤は、防錆塗料スプレーやアルミにも対応している防錆剤です。

ステンレス

ステンレス

錆びにくい金属ながら条件によっては錆が発生

比較的錆びにくい金属ですが、条件により錆が発生します。その原因は塩化物の付着、付着物によるサビ、もらい錆、塩酸や硫酸などの付着の4つです。ステンレスに適した防錆剤は、金属表面に油膜を張る防錆潤滑スプレーやステンレス対応の防錆剤です。

KNOWLEDGES

工業用防錆剤に関する基礎知識

防錆剤とはどういったものなのかを解説。金属が錆びる原因から、工業用防錆剤を構成する成分と人体への影響、市販の防錆剤との違い、防錆剤を除去する方法など、工場内で効率よく防錆を行いたいと考えている方が、知っていると役に立つ基礎知識をまとめました。

使いやすさで選ぶ
気化性防錆剤
おすすめ3選
使いやすさで選ぶ気化性防錆剤
おすすめ3選