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ここでは日本で早くから商品化に成功したアイセロの気化性防錆フィルム「ボーセロン」の商品情報や金属の腐食抑制メカニズム、安全性に対する考え方などを紹介しています。
防錆剤のタイプ | 気化性 |
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価格 | Web上に記載なし |
形状 | フィルム(袋状・カットシート・シートロール) |
対応金属 | 鋳鉄、鉄、亜鉛メッキ鋼板、アルミ、銅 |
原産国 | 日本 (本社・工場)愛知県豊橋市石巻本町字越川45 (伊那工場)長野県伊那市福島528-1 |
1969年にアイセロが商品化した包装用の気化性防錆フィルムです。その中には常温で気化する防錆剤を含んでおり、成分が金属面に吸着することにより被膜を形成し腐食を抑制するというメカニズムになっています。
包装するだけで防錆効果を得ることができるので一工程で済み、透明フィルムなので区分けしやすいという特徴も持ち合わせています。
ボーセロンは特性の違いで大きく103と507の2タイプに分けられます。
103は鋳鉄、鋼板など鉄類用に開発した防錆フィルムで507は鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム用の防錆フィルムにより効果を発揮できるタイプです。103はエンジン、ミッションパーツ、507はプレス(スタンプ)部品、アッセンブル部品の防錆に向いています。
ボーセロンは使用先が要求すれば、防錆剤成分開示に応じています。なぜなら、製造元のアイセロが開発ノウハウの秘匿性よりも、安全性を重視しているからです。
防錆剤成分の名称、構造、含有量まで開示を行い、化審法No.(※1)や米国におけるCAS No.(※2)を明らかにすることが重要という考えの下で、信頼を獲得し防錆フィルムのシェアを維持し続けています。
※1 化審法:化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
※2 CAS No.:米国化学会の情報部門(Chemical Abstracts Service: CAS)が付与する化学物質の識別番号。化学物質を特定し、その物質に関する情報を検索する際に利用されます。
対象金属を包装するのが基本です。製品タイプによって用途は異なります。ノックダウン(KD)包装や重量物、突起物等の包装、緩衝包装、鋼板コイルの梱包などが可能です。
袋状、カットシート、シートロールなどで供給され、幅や長さなどの規格がありますが、希望サイズがあれば相談に応じて対応してもらえます。包装設計や自動包装化などカスタマイズ性が高く、現場に合わせた利用手順を実現できる点もアイセロ「ボーセロン」の強みと言えるでしょう。
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防錆剤が入った容器や袋の中に対象金属を同梱する、シートで覆うだけで優れた防錆効果が得られる気化性防錆剤。ここではその中でも国産で使いやすい(※)気化性防錆剤を種類ごとに厳選して紹介します。
※国産の防錆剤の中でも、使いやすさを示したアイコンの該当項目が多い商品を、パック型防錆剤、防錆紙、防錆フィルムからそれぞれ1つずつ選出しています
城北化学工業
「ラン・ラン」
(パック型防錆剤)
画像引用元:城北化学HP ラン・ラン(https://www.johoku-chemical.com/lanram/)
使いやすさ・用途
特徴
・防錆成分の拡散までわずか15分。気化力に優れ複雑形状の金属にも幅広く活用
・サイズが小さく密閉容器に入れるだけなので、包装や廃棄の手間が少ない
・密閉容器や密閉袋を用いた金属の保管時におすすめ
アドコート
「アドパック」
(防錆紙)
画像引用元:アドコート株式会社・トップ アドパックラインナップ・トップ アドパック‐ G (鉄鋼用含浸タイプ)
(http://www.adpack.jp/lineup/type_gk.html)
使いやすさ・用途
特徴
・気化性防錆紙専門メーカーならではのラインナップで様々な使い分けに対応
・バリア材との併用でさらに防錆力アップ
・部品や金属の包装を兼ねた防錆におすすめ
アイセロ
「ボーセロン」
(防錆フィルム)
画像引用元:アイセロHP アイセロの挑戦02 ボーセロン®物語「アイセロの未来をかけた戦略商品のサクセスストーリー」(https://www.aicello.co.jp/recruit/about/challenge/boselon/)
使いやすさ・用途
特徴
・フィルムが透明なため海外輸送での防錆・梱包に役立つ
・ヒートシールによる密封やフィルムを利用した自動包装ができるため、密閉袋兼防錆剤としても利用可能
※2021年2月時点の情報。公式HPに記載の内容をもとに評価しています
※注釈:アイコンの意味
・繰り返し利用(効果がなくなるまで繰り返し利用できるかどうかで調査)
・即効性(浸透スピードに関する内容を公式HPに記載しているか)
・通販あり(すぐに必要な時に手軽に注文できるECサイトや通販サイトでの販売はあるか)
・防錆の工数が少ない(手間をかけずに防錆できるか)
・無臭(食品工場や家庭用商品など臭いを気にするニーズに応える商品に使用できるか)
・手に触れる部分の防錆(手に付いた時に落ちないか・使う時に手袋をはめた方が良いのか)
・ゴミ・廃棄コスト削減(段ボール一箱分の防錆をする際のゴミの大きさが15cm以内か)
・大容量防錆(ドラム缶サイズの防錆は可能か)