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このページでは、ホームセンターなどで販売されている市販の防錆剤と工業用防錆剤の違いについてまとめています。
市販の防錆剤は、一般的に車やバイク、自転車のサビを防止するためのものです。完成品に塗布して、サビが出来てしまうのを防ぐために使用します。ネットショッピングやホームセンターで手軽に手に入れられるのが特徴です。値段も200円台~と安価。
一方、工業用の防錆剤は製品を製造する工程において金属の表面に塗布したり、溶液中に添加したりすることによって防錆を行います。基本的には工場内で使う場合が多いです。防錆が必要とされる工程や現場の状況も、市販の防錆剤とは比にならないほど多岐にわたっています。
市販の防錆剤と工業用の防錆剤は対応金属や防錆剤の種類、用途のバリエーションに違いがあります。
工業用の防錆剤は、幅広い金属に対応しているのが大きな特徴です。そして、防錆剤にもいくつか種類があり、防錆油や防錆フィルム、気化性防錆紙などがあります。それぞれの種類によって対応金属は変わりますが、市販の防錆剤と比べると対応する金属の種類数は圧倒的です。
市販の防錆剤も多くの商品数がありますが、工業用の防錆剤も同様に多くの企業が開発を行っています。近年は人や環境に優しい防錆剤の開発も進んでおり、工業用の防錆剤でも安心して使えるようになってきているのです。
メーカーに依頼すればサンプルを取り寄せて、事前にテストすることもできるのも、市販の防錆剤との大きな違い。購入前にサンプルを請求すると、使用用途や目的、期待する効果によって適した製品を提案してもらうことも可能です。
市販の防錆剤は事前にテストすることが出来ないため、買って効果がいまいちだった場合はまた新しいものを買いなおす必要があります。そして、その新しく買った防錆剤もいいものと出会えるかどうかわかりません。そういった点で考えると、市販の物よりも工業用の防錆剤のほうが良いものと出会いやすいということが言えるのではないでしょうか。
もし一般的な家庭でなく、町工場などで市販の防錆剤を使用している場合は、市販の物よりも工業向けに販売している防錆剤を使用することをおすすめします。事前にテストすることができ、確実に自社の環境や目的に合った防錆剤を購入できるためです。
工業用防錆剤の企業ページを見てみると、無料サンプル進呈といった文言が記載されている場合が多いので、気になる防錆剤を見つけたら、問い合わせてみましょう。
防錆剤が入った容器や袋の中に対象金属を同梱する、シートで覆うだけで優れた防錆効果が得られる気化性防錆剤。ここではその中でも国産で使いやすい(※)気化性防錆剤を種類ごとに厳選して紹介します。
※国産の防錆剤の中でも、使いやすさを示したアイコンの該当項目が多い商品を、パック型防錆剤、防錆紙、防錆フィルムからそれぞれ1つずつ選出しています
城北化学工業
「ラン・ラン」
(パック型防錆剤)
画像引用元:城北化学HP ラン・ラン(https://www.johoku-chemical.com/lanram/)
使いやすさ・用途
特徴
・防錆成分の拡散までわずか15分。気化力に優れ複雑形状の金属にも幅広く活用
・サイズが小さく密閉容器に入れるだけなので、包装や廃棄の手間が少ない
・密閉容器や密閉袋を用いた金属の保管時におすすめ
アドコート
「アドパック」
(防錆紙)
画像引用元:アドコート株式会社・トップ アドパックラインナップ・トップ アドパック‐ G (鉄鋼用含浸タイプ)
(http://www.adpack.jp/lineup/type_gk.html)
使いやすさ・用途
特徴
・気化性防錆紙専門メーカーならではのラインナップで様々な使い分けに対応
・バリア材との併用でさらに防錆力アップ
・部品や金属の包装を兼ねた防錆におすすめ
アイセロ
「ボーセロン」
(防錆フィルム)
画像引用元:アイセロHP アイセロの挑戦02 ボーセロン®物語「アイセロの未来をかけた戦略商品のサクセスストーリー」(https://www.aicello.co.jp/recruit/about/challenge/boselon/)
使いやすさ・用途
特徴
・フィルムが透明なため海外輸送での防錆・梱包に役立つ
・ヒートシールによる密封やフィルムを利用した自動包装ができるため、密閉袋兼防錆剤としても利用可能
※2021年2月時点の情報。公式HPに記載の内容をもとに評価しています
※注釈:アイコンの意味
・繰り返し利用(効果がなくなるまで繰り返し利用できるかどうかで調査)
・即効性(浸透スピードに関する内容を公式HPに記載しているか)
・通販あり(すぐに必要な時に手軽に注文できるECサイトや通販サイトでの販売はあるか)
・防錆の工数が少ない(手間をかけずに防錆できるか)
・無臭(食品工場や家庭用商品など臭いを気にするニーズに応える商品に使用できるか)
・手に触れる部分の防錆(手に付いた時に落ちないか・使う時に手袋をはめた方が良いのか)
・ゴミ・廃棄コスト削減(段ボール一箱分の防錆をする際のゴミの大きさが15cm以内か)
・大容量防錆(ドラム缶サイズの防錆は可能か)