人体への影響はあるか

防錆剤の人体への影響は？このページでは、防錆剤が人体に与える影響の有無についてまとめています。

人体への影響の有無は製品による

防錆剤には様々な種類があり、人体への影響もその製品によって異なります。ここでは、防錆剤の代表的な3つの成分を挙げて人体への影響について紹介しましょう。

亜硝酸塩

防錆剤によく使われていた成分です。人体や環境に悪影響があることから、近年は健康に配慮するために亜硝酸塩不使用の防錆剤が増えてきています。

クロム酸塩

クロム酸塩は、主に配管系の炭素鋼に使用される防錆剤。毒性があり、こちらも現在はあまり使われていません。もし、この防錆剤を使用する場合にはpHの管理や微生物の殺菌、水中の酸素濃度の管理をしっかり行う必要があります。防錆剤でもあり、強力な酸化剤としても作用するので、使い方を誤ると腐食を誘発してしまうこともある、使い勝手の難しい防錆剤です。

ヒドラジン（N2H4）

ヒドラジンは脱酸素系防錆剤です。サビの原因になる酸素を取り除き、防食を行う防錆剤となっています。ヒドラジンには毒性があり、使用環境には十分に注意しなくてはいけません。

従業員の健康に配慮した防錆剤の選び方

防錆剤には人体へ影響があるものも多くあります。工場などで防錆剤を使用する際には、従業員の健康に配慮した防錆剤を選ぶ必要があるでしょう。

金属の種類によって防錆剤を選ぶことはもちろん、毒性の有無についてもよく確認しなくてはいけません。人体や環境に影響があるとされている亜硝酸塩を使用しない「亜硝酸塩不使用」の防錆剤や、人と環境に考慮されている防錆剤を選ぶとよいでしょう。

防錆剤の開発は有害性や環境対応を考慮した安全性の高い商品への対応の動きもありますが、今後の防錆剤開発はCO2削減の観点から省エネルギー対応型への期待が高まっていくことが予想されます。

環境に配慮した防錆剤もある

先ほどから挙げている「亜硝酸塩不使用」の防錆剤は環境に配慮した防錆剤です。このほかにも環境に配慮した防錆剤は数多くあり、中でも水溶防錆剤は環境に配慮した商品が多くあります。

環境に配慮されているかどうかを判断する基準の一つとして、「RoHS」「REACH」などの環境規制に対応しているかというポイントがあります。この環境規制に対応するには、使用している部品の有害物質濃度が規定値以下でなければいけません。

環境に配慮した防錆剤を探しているのであれば、この環境規制に対応しているかを一つのチェックポイントとして確認してみてください。また、人や環境に優しい成分を主成分としているかも重要なチェックポイントになります。具体的にはカルボン酸塩などです。窒素酸化物をはじめとする有害物質が含まれていないかも確認して選択しましょう。