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工場内で金属が錆びる原因って?ここでは、工場内で金属が錆びる具体的な原因について解説しています。
サビのメカニズムというのは、電池の作用と同様に金属と気体の酸素の間で起きる電荷移動です。ここに水が加わることによって急速に反応が進んでいきます。また、水には酸素が溶け込んでいるため電荷移動は増加すると考えられているのです。
そして、塩分などを含む電解質が溶け込むとさらに反応は激しくなります。海水や海岸付近では海塩粒子の影響が大きく、塩害の被害もあります。
サビと水の関わりに焦点を絞ってみると、工場内で金属がさびてしまう原因がわかります。工場内で夜間から明け方にかけて気温が低下すると、工場内の湿度が高ければほんの5℃程度温度が違うだけでも、結露が発生します。結露が発生することにより、先ほども言った通り電荷移動が増加し、反応が激しくなりサビが出来てしまうのです。
他にも、工場内の錆の原因には水溶性の加工油や薬品、もらい錆びなどもあります。
年間当たりGDP比約3~4%にも及ぶとされているサビによる被害。交通機関や工業設備などでは、腐食対策や金属部品の交換などに毎年多大なコストがかかっていることが分かっています。
サビ被害によるコストを軽減するためには、腐食やさびへの対策が重要です。金属を腐食から守る正しい防食方法の知識を身につけておきましょう。
防食というのは、金属を腐食から守ること。金属を防食から守る方法はさまざまあります。
工場以外でも、公園の遊具や道路のガードレールなどでさび付いているのを一度は見かけたことがあるかもしれません。しかし、近年はなかなかさび付いた遊具やガードレールを見かけることも少ないのではないでしょうか。これは、塗料で金属の表面を覆っているため。防食できるのはもちろんのこと、街の景観を向上するのにも役立っている防食方法です。
このほかの防食方法は具体的には以下の通りです。
このようにさまざまな防食方法があるため、環境や製品に合った防食方法を選択し適切に錆を防ぐ必要があります。
工場は水分や塩分を多く使用する環境であるため、金属はさびやすくなります。しかし、数点気を付けておくだけで、防食による部品や機械のサビは格段に減ります。
工場内には水回りや液体物を扱うスペースなど、錆びやすい場所があります。そうした場所を把握して、錆対策の計画を作成します。計画内には錆を促進する持ち物の制限やサビの拭き取りなど具体的な対策を盛り込みましょう。
立てた対策・計画に基づいて、現在サビが確認できる箇所を日常的にモニタリングします。モニタリングではサビの状況を確認し、錆止め等の対応をするかどうかを検討します。日常でのチェックでサビの進行を把握することが、工場の錆対策では大切です。
日々の対策だけでなく、定期的に設備・機器のメンテナンスを行うことも重要です。定期的なメンテナンスでは、設備・機器の内部までサビが進行していないかをチェックし、進行している場合は改善対応を行います。
工場の錆対策は計画的に行うことが大切です。そして、日常的チェックと定期的メンテナンスを組み合わせることで、より高い基準でのサビ対策ができるでしょう。
防錆剤が入った容器や袋の中に対象金属を同梱する、シートで覆うだけで優れた防錆効果が得られる気化性防錆剤。ここではその中でも国産で使いやすい(※)気化性防錆剤を種類ごとに厳選して紹介します。
※国産の防錆剤の中でも、使いやすさを示したアイコンの該当項目が多い商品を、パック型防錆剤、防錆紙、防錆フィルムからそれぞれ1つずつ選出しています
城北化学工業
「ラン・ラン」
(パック型防錆剤)
画像引用元:城北化学HP ラン・ラン(https://www.johoku-chemical.com/lanram/)
使いやすさ・用途
特徴
・防錆成分の拡散までわずか15分。気化力に優れ複雑形状の金属にも幅広く活用
・サイズが小さく密閉容器に入れるだけなので、包装や廃棄の手間が少ない
・密閉容器や密閉袋を用いた金属の保管時におすすめ
アドコート
「アドパック」
(防錆紙)
画像引用元:アドコート株式会社・トップ アドパックラインナップ・トップ アドパック‐ G (鉄鋼用含浸タイプ)
(http://www.adpack.jp/lineup/type_gk.html)
使いやすさ・用途
特徴
・気化性防錆紙専門メーカーならではのラインナップで様々な使い分けに対応
・バリア材との併用でさらに防錆力アップ
・部品や金属の包装を兼ねた防錆におすすめ
アイセロ
「ボーセロン」
(防錆フィルム)
画像引用元:アイセロHP アイセロの挑戦02 ボーセロン®物語「アイセロの未来をかけた戦略商品のサクセスストーリー」(https://www.aicello.co.jp/recruit/about/challenge/boselon/)
使いやすさ・用途
特徴
・フィルムが透明なため海外輸送での防錆・梱包に役立つ
・ヒートシールによる密封やフィルムを利用した自動包装ができるため、密閉袋兼防錆剤としても利用可能
※2021年2月時点の情報。公式HPに記載の内容をもとに評価しています
※注釈:アイコンの意味
・繰り返し利用(効果がなくなるまで繰り返し利用できるかどうかで調査)
・即効性(浸透スピードに関する内容を公式HPに記載しているか)
・通販あり(すぐに必要な時に手軽に注文できるECサイトや通販サイトでの販売はあるか)
・防錆の工数が少ない(手間をかけずに防錆できるか)
・無臭(食品工場や家庭用商品など臭いを気にするニーズに応える商品に使用できるか)
・手に触れる部分の防錆(手に付いた時に落ちないか・使う時に手袋をはめた方が良いのか)
・ゴミ・廃棄コスト削減(段ボール一箱分の防錆をする際のゴミの大きさが15cm以内か)
・大容量防錆(ドラム缶サイズの防錆は可能か)